2011年9月18日日曜日

9月10日 授業日誌 〜応用編〜

わたしです。

授業レポート。何度も断固拒否したんですがうら若き女子大生まっくすにどうしても!と笑顔で過激に熱烈に懇願されたんでニートなんですが仕方なく書きます。

ではそろそろ執筆に。ん?でも当日の記憶、曖昧。ええいままよ!忘れた部分は想像力で補ってやるぜ!


※注意※
このレポートは事実に基づいておりますが極度に主観的かつ自己満足満載で作成しております。このため内容に非常に偏りがございます。以上の点を予めご了承の上お読みいただけますようお願い致します。



<<第一章 目覚め>>
朝。事前に我らがSeasonsチームリーダー221氏から「9時半までに来ないやつぁ…スタメン剥奪ウウウウ!Wryyyy!」とジョジョ風に脅迫を受けていたニートの俺はスタメンを勝ち取るべく、セットした目覚ましよりも早く起きた。朝日が眩しい。いい天気だ。ニートの俺にも太陽だけは平等に輝く。寝坊しなかった安堵感とともに茹でキャベツを口に放り込む。茹でキャベツは最近のブームだ。ごまドレをかけて食べる。うまい。何より安い。このキャベツは一玉98円だったのだ。

そそくさと着替えを済ませ家を出る。09:01池袋発の湘南新宿ラインに乗り込む。順調だ。このままいけば09:15には恵比寿に着く。スタメン剥奪の危機は一先ず心配しなくてよさそうだ。恵比寿駅の動く歩道を敢えて避け、動かないほうの歩道を歩く。健康のためだ。すると動く歩道側に見慣れたシルエット。郷くん、いや、剛くんだ。剛くんもまた221氏を恐れ目覚ましよりも早く起きたのだろうか。

俺達は軽い挨拶を交わし、決戦の地、日仏会館へ急ぐ。09:25、日仏会館着。どうやらスタッフよりも早く来てしまった。一番乗りだ。気づくと剛くんの顔には薄く影が差している。「くそっ!昨日だけで四億の損失だ!」。どうやら円高で損失が発生ようだ。しかしニートの俺には円高よりもスタメン、就職よりもスタメンだった。

程なくして菅原さん、まっくすが到着。日仏会館の岩崎さんから設備の説明を受けていると、上田さん、リーダー221氏やSeasonsチームもジョジョに集まりだした。


<<第二章 修正>>
遡ること一週間。Seasonsチームは二番について大幅な修正を加えていた。動きの追加。二番から各自が自由にリズムに合わせて動き、また221氏の合図でClap、最後のRemember the!で一斉に直立してラストを迎えることになったのだ。あやみことダチョウ、健三さんらソリストの動きにもメスが入った。

しかしここでニートの俺に芽理さんから容赦ない指摘があった。「動けって言うのに仁王立ちなんだよ!無駄無駄無駄ァッ!」。俺はうまくリズムに合わせられず気づくと仁王立ちしてしまう癖があった。その癖をジョジョ風に指摘されたのだった。


<<第三章 リハ>>
10:05リハ。仁王立ちの癖は直っていなかった。動く!俺は動くぞ!そう自分に言い聞かせる。束の間、突如221氏から挨拶代わりのジャブ。「ソロがそろったのでそろそろ始めます」。OH!GOD!これが噂に聞く221氏の「ソロの三段活用」か!朝からとんでもない一撃だ。しかしここで笑わなければスタメンはない。俺は無理矢理笑みを浮かべる。他のメンバーもひきつった笑顔を浮かべている。いつ何時とも油断は許されない。本番までスタメン争いは続く。

リハは朝ということもありみんな声が出ない。こんなことじゃスタメンどころかベンチ外だ…不安が募る。続いてロンゲ、やさしさチームがリハに入る。両方ともいい出来だったような気がするのだがよく覚えていない。何せ俺はスタメン確保で心ここにあらずだったのだ。唯一覚えているのは上田さんの声がでかかったことだ。

ステージセッティング中はガーデンプレイスで練習。もう9月だというのに容赦ない日差しが降り注ぐ。そして221氏も容赦ない。「水ぅ?そんなもの飲むんじゃねえ!お前なんて五目餡かけの餡で十分だ!」。一昔前の高校球児よりひどい。俺はスタメンを勝ち取りたい。でも何のためにスタメンが欲しいのか?炎天下のせいかそんな問いまで浮かんでくる。意識を、保て。


<<第四章 誤算>>
12時。昼休憩を挟み、いよいよ今日のプログラムが始まった。まずは吉田先生のレッスン「WeAreTheWorld」。これは今年の初めに練習した。一度歌うと勘を取り戻してきた。そうそうこういうメロディーだった。Just you and me!のタイミングが難しいな。おしおしジョジョにできるようになってきたぞ。あれ?これいつまで続くのかな?え?7回?そ、そんなに?吉田先生とエリックの伸びやかな歌声が響く中、次第に俺の体力は奪われていく。Just you and me!はあはあ…Just you and me!はあはあ…レッスンが終わる頃にはひどく体力を消耗していた。こ、こんなはずじゃ…。スタメン確保に暗雲が立ち込める。


<<第五章 ライブ>>
吉田先生のレッスンが終わると、先生方のステージに移った。俺は去年のライブハウスレッスンに出てないので先生のステージを見るのは初めてだった。まずは荒尾先生のeclipse!5人の絶妙なハーモニーが俺たちを柔らかく包む。メンバー紹介。左端の男性はなんと荒尾先生のお兄さんだというではないか!略して荒兄(あらにい)。俄然荒兄に注目だ。俺は荒兄に視線を送る。低い。低音だ。つまりBassだ。三期生募集で結局一人も新人が来なかったBassにぴったりの人材ではないのか。現在のBassはつむさんがいないと大きく戦力が落ちる。つむさんと荒兄がいれば鬼に金棒、あっきーに明太子だ。よし荒兄をスカウトだ。「オレんとこないか?」そう言おうとした刹那、会場一杯の拍手が鳴り響く。荒兄は他のeclipseメンバーとともにステージを去っていった。

次にちささん&小久保さん。「ひとりで歌うつもりはありません!」で始まったちっさライブ。まずオーディエンスに求められたのはClapだ。3つの異なるリズムのClapを教わった。合図に合わせてClapしてほしいとのこと。おおおちゃんとできるか心配すぎる!今、俺の心は7:3でClapだ。3はスタメンだ。どんな時でも心にスタメンだ。ギターが心地よく響く。ちささんの歌が始まる。優しく伸びやかな歌声の先に光が見える。ちささんと小久保さんから後光が差している。…合図がきた!Clap!Clap!Clap!…できた。俺の実力からすれば当然か。何せ俺はスタメンを張る(予定の)男なのだ。次にオリジナル曲「らせん」。どうでもいいが「らせん」と聞いて貞子を思い出してしまうのは俺だけだろうか。オーディエンスに求められたのはメロディーをららら〜で歌うこと。心配はいらない俺はスタメンを張る男だ。らら〜ららら〜♪あ、でもちょっと難しい。こんなときには剛くんだ。剛くんの声に意識を集中させる。よしよしできたぞさすが剛くん。剛くんはスタメンだ。


<<第六章 スタメンの行方>>
誕生月のおめでとうHappyBirthdayを経て三期生のOh!HappyDayが始まった。そうそう最初はこれを一生懸命練習したものだ。しかし、この短期間に振りまで覚えている。なんてレベルが高いんだ。このままだと俺のスタメンも危ない。221氏への袖の下も検討せねばなるまい。

次にやさしさ。やさしさチームは少数だが粒揃いだ。つまり少数精鋭だ。やはりこの歌が流れると自然と口ずさんでしまう。「トンボ!」「魔女子(まじょこ)さん!」俺もプロペラ付き自転車の荷台に魔女子を乗せたいものだ。

ロンゲチームは個性派揃いだ。上田さんを筆頭にリーダームラムラさん、つむさんとまさにSingを凝縮したような面々。廊下の練習を聞いていたがやはりレベルが高い。楽譜も揃えて気合も十分。CDはかけずに完全にアカペラでやっている。ハーモニーを意識してか心無しか上田さんのボリュームも抑え気味だ。

そして、来た。自主練発表のトリを飾るのは我がSeasonsチームだ。本番の前に221氏からメンバーに向けてメッセージがあった。「お前ら今日までよく頑張った。お前ら全員、スタメンだ!」……!!!!なんと全員がスタメンだ。鬼軍曹221氏の粋な計らいに涙がこぼれそうになるが我慢。泣くのは終わってからだ。ぐっとこらえステージへ向かう。


<<第七章 Seasons of Love>>
感動も束の間、俺には課題があったのだ。二番で動く。これが達成できなければ221氏からどんな仕打ちを受けるかわからない。とにかく動くのだ。five hunred twenty-five thousand six hundred minutes ! 始まった。出だしは良い。みんな緊張はあるのだろうが心地よい緊張感だ。221氏、なーにゃ、エリックのソロを終え、いよいよ二番だ。みんな良く歌えているのだろうか。正直他のメンバーの歌声が入ってこない。動く!動くぞ俺は!

二番で俺はSeasons of Love!と延々と繰り返す役割を負っている。同じBassの剛くんと健三さんは途中で別パートへ行ったりソロをやるので純粋にSeasons of Love!を歌い続けるのは俺一人になる。責任は重大だ。ソロのためあやみ氏(義妹)がマイクへと動き出した。いつものダチョウのような動きがない。非常に残念だが今は自分のことを考えるのだ。あやみ氏ソロが終わったら、動く。リズムに乗って動くのだ。動け俺の身体!…よし動いた!この調子だ!Seasons of Love!Seasons of Love!いい調子だ。俺の体はまるでメトロノームのように規則正しく左右に揺れる。Seasons of Love!Seasons of Love!「ゾーン」という言葉がある。ごく一部の超一流アスリートが体験するあのゾーン。そこに俺はいた。淀みなく溢れ来る言葉とメロディー、そしてハーモニー。

Sweet Thousand Kisses! いよいよ佳境だ。皆がClapしながら221氏の合図でステージ前方へ進む。健三さんソロのため前へ。おっと221氏が健三さんの前を塞いでいる。そんな様子を横目で見ながら皆のClapに身体を揺らす。あれ、でも何か忘れてないかな?んと、なんだっけ?そういえばみんなClapしてるけど俺してなくない?なくなくない?なくなくなくなくなくなくない?さりげなく周囲を見渡すとどうやらClapを俺だけしていない。なんてことだ!こんな失態を演じるとは!気づいた時にはラストのSweet Thousand Kisses! このあとすぐに直立不動でRemember The!に入るのでClapはもうない。咄嗟に一回だけClapした。これで誤魔化せるだろうか。 いや、221氏にバレたらどんな仕打ちがあるかわからない。念には念を。あやみ氏には悪いが証拠のビデオは後で速やかに処分だ。トイレに流そう。

曲はついに感動のフィナーレへ!みんなの想いがこもったまさにSeasons of Loveが会場に溢れる。割れんばかりの鳴り止まない拍手の中、俺は誰にも気づかれないように呟いた。「奪ってトイレへ…」


<<最終章 夕日>>
最後は上をむいて歩こう&翼をくださいのソロオーディション。最初はみんなソロで歌うことを恥ずかしがっていたがすぐにテンションは最高潮へ!踊る女子。いや、女子か?15分だけのはずだったのが気づけば1時間近く歌っていた。1時間のdumpは本当に疲れたが妙な心地よさと高揚感で満たされていた。あやみ氏のビデオは回収できなかったがまあいい。金さえ詰めばどうにでもなる。俺は自分がニートであることすら忘れていた。

帰り道。外はまだ蒸し暑い。日が陰っている。こんなにも暑いのにもう季節は秋なのだ。ふと見上げると、今までに見たこともないような空の色。まだら模様の雲。


夕日に染まったべーやんが言った。



「わたし大宮行ってきます!アリーヴェデルチ!」



〜第一部 完〜


※このレポートはノンフィクションです